山川 世界史小辞典 改訂新版 「イラン石油国有化」の解説
イラン石油国有化(イランせきゆこくゆうか)
イランの石油採掘は1901年に始まり,アングロ・イラニアン石油会社が採掘利権を継承した。利権料率はイランに有利に改訂されたが,第二次世界大戦後の民族運動で石油国有化要求が強まるなかで,イラン議会は51年石油国有化法を可決した。混乱による石油生産の激減,国庫の枯渇などの困難のため,イラン政府は54年国際石油会社(アメリカ,イギリス,オランダ,フランス系の8社で構成)と協定を結び,イラン政府は石油国有化に対し補償し,石油採掘精製は国際石油会社の担当などが決まり,イラン人による石油産業の自主経営はついに実現しなかった。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報