日本大百科全書(ニッポニカ) 「インドダイ」の意味・わかりやすい解説
インドダイ
いんどだい / インド鯛
印度鯛
king soldierbream
[学] Argyrops spinifer
硬骨魚綱スズキ目タイ科マダイ亜科に属する海水魚。南アフリカからインド半島、マレー半島、オーストラリア北岸の海域に分布する。体は著しく側扁(そくへん)し、体高は高い。頭の前縁は急勾配(こうばい)。眼下の幅は広い。上下両顎(りょうがく)の臼歯(きゅうし)は2列。背びれ棘(きょく)は12本で、第1~2棘はきわめて短く、第3~5棘(ときどき第7棘)は平たく、糸状に伸長する。幼魚では尾びれ近くまで達するが、老成魚では短い。全長は最大で約70センチメートルになるが、普通は30センチメートル。体は淡紅色で、頭部はやや暗色。鰓孔(さいこう)の上部の縁辺は暗赤色である。若魚には体側に4~5条の濃赤色の幅の広い横帯がある。水深5~100メートルの底層に生息し、おもに軟体動物などの底生の無脊椎(むせきつい)動物を食べる。主として底引網、延縄(はえなわ)、一本釣りなどで漁獲される。若魚は内湾の非常に浅いところにいるが、成長するにつれて深所へ移動する。従来、しばしばタイワンダイと混同されたが、タイワンダイは背びれ棘が11本あり、第1棘がごく短いことでインドダイと区別される。
[赤崎正人・尼岡邦夫 2017年7月19日]