イーザル川(その他表記)Isar

改訂新版 世界大百科事典 「イーザル川」の意味・わかりやすい解説

イーザル[川]
Isar

ドイツ南部のバイエルン州を流れるドナウ川右岸の支流オーストリア領内北チロルのカルウェンデル山脈に源を発し,バイエルンアルプスを越えてドイツにはいる。ほぼ北流してアルプス前地のモレーン地帯,これに続く氷河の押し出した砂礫質の扇状地地帯を通り,ミュンヘン市内を貫流する。後に流れを東北東へ転じ,デッゲンドルフの少し下流でドナウ川に合流する。全長283km。上流山間部では水力発電が盛んに行われている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イーザル川」の意味・わかりやすい解説

イーザル川
イーザルがわ
Isar

ドイツ南東部,バイエルン州を流れるドナウ川の一支流。全長 263km。オーストリア,インスブルック北東方のカルルウェンデル山地に発し,シャルニッツ北方で,ローマ人がポルタクラウディアと呼んだ峡谷部を抜け,ドイツに入り北流,ミュンヘンからは北東流してランツフートを経てデッゲンドルフ南方でドナウ川に合流する。アルペンフォールラント (アルプス前地) の代表的な河川。ミュンヘン近くでは水力発電にも利用される。上流の峡谷部からインスブルックを経てブレンナー峠にいたる道はドイツ,オーストリア,イタリアを結ぶ重要国際交通路。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イーザル川」の意味・わかりやすい解説

イーザル川
いーざるがわ
Isar

ヨーロッパ南東部を流れるドナウ川の支流で、ドイツ南部、バイエルン州を流れる川。ドイツとオーストリアとの国境にあるカルウェンデル山地のオーストリア領内に源を発して、まもなくドイツに流入し、北流してミュンヘン市内を貫き、やがて東北東に方向を転じ、ランツフートを経てドナウ川に合流する。全長283キロメートル。上流部では水力発電に利用され、ランツフートより下流部では、いくつかの堰堤(えんてい)により運河化され、水運に利用されている。

[浮田典良]

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世界大百科事典(旧版)内のイーザル川の言及

【ドイツ】より

…20世紀初頭から最近まで氷河時代の研究の世界的模式地とされていた。かつて氷河を山麓へ導いた谷を流れるレヒ川,イーザル川イン川などドナウ川の支流は山麓ではこれらの氷河地形を掘り込んで台地化している。アルプス前縁地や山麓の湖沼群はいずれも最終氷期の氷河が占めていた相対的凹所に起源を持つ。…

※「イーザル川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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