ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インスブルック」の意味・わかりやすい解説
インスブルック
Innsbruck
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オーストリア西部、チロール州の州都。人口11万3392(2001)。東アルプスを貫流するイン川の右岸にジル川が合流するあたりにつくられた扇状地上にあり、標高574メートル。南のブレンナー峠によりすでに中世から中部ヨーロッパとイタリアを結ぶ南北交通の要地となり、東アルプスの東西交通との交点にあることから、12世紀には都市の基礎がつくられ、インスブルック(「イン川にかかる橋」の意)の名がおこった。北にカルベンデル山脈、南に中央アルプスを望む優れた風景はアルプス都市の名にふさわしく、チロール地方の観光の中心地として内外の観光客を集めている。冬にはウィンタースポーツの基地としてにぎわう。国際会議、見本市の開催地であり、郊外には軽工業(光学、織物、皮革など)が立地する。市内にはアルトシュタット(旧市街)、民芸博物館、州立博物館、ハプスブルク家ゆかりの王宮と教会、マクシミリアン1世の「黄金の小屋根」、町並みを一望できる「市の塔」(15世紀)など、みるべきものが多い。総合大学(1669創立)、アルプスの高山植物や動物を集めたアルペン動物園もある。1964年、76年の2回、冬季オリンピックが開催された。
[前島郁雄]
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