改訂新版 世界大百科事典 「ウアカリ」の意味・わかりやすい解説
ウアカリ
uakari
霊長目オマキザル科ウアカリ属Cacajaoに属する新世界ザルの総称。はげ頭と赤い顔で不気味な印象を与える小型のサルたちである。この属には,鮮紅色の顔と赤褐色の体毛をもつアカウアカリC.rubicundusと,顔は赤いが体毛が灰白色のシロウアカリ(ハゲウアカリともいう)C.calvus,顔も体毛も黒っぽいクロウアカリC.melanocephalusの3種が含まれる。いずれも頭胴長は約40cm,尾は約15cmと短い。アマゾン川上流域の熱帯降雨林に生息し,原生林の高層部で活動して地上に降りることはない。食物は,果実,種子,木の葉,芽などで,完全な草食性らしい。通常は小さな群れをつくって生活しているが,100頭もの大集団が見られることもある。動作はゆっくりしていて,太い枝の上を両手をあげ2本足で歩くことがある。性質は臆病であるが,子どもは人によく慣れる。
執筆者:黒田 末寿
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報