ウオノエ(英語表記)Cymothoa eremita

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウオノエ」の意味・わかりやすい解説

ウオノエ
Cymothoa eremita

軟甲綱等脚目ウオノエ科 Cymothoidae。雌は体長 2.5cm,幅 1.3cm,雄は小さく,体長 7.5mm,幅 3.5mm。体はややゆがんだ長卵形で,一様に淡黄色。頭部は小さく,腹側に曲がっている。沿岸にすむ魚類口腔内に寄生し,雌は眼に色素を欠く。ウオノエ科は一般に海産魚の口腔内に寄生するが,タナゴヤドリムシ Ichthyoxenus japonensis など淡水魚類寄生種も若干いる。ウオノエ科として約 250種が知られているが,宿主と寄生種の関係が限定されているものが多い。口腔内だけではなく,鰓腔などに寄生する種も知られている。雄が未知の場合もあり,また雄性先熟雌雄同体の例も多い。(→甲殻類節足動物等脚類軟甲類

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウオノエ」の意味・わかりやすい解説

ウオノエ
うおのえ / 魚餌
[学] Cymothoa eremita

節足動物門甲殻綱等脚(とうきゃく)目ウオノエ科に属する海産動物。海産魚類各種の口腔(こうこう)に寄生し、太平洋インド洋に広く分布する。雌は体長3.5センチメートル内外、雄は7.5ミリメートルほどで、淡黄色。長卵形で、小さな頭部に続いて7胸節と5腹節、大きな尾節からなる。胸脚の先端は鉤(かぎ)づめ状で、宿主に付着するのに適している。タイ類の口腔にすむタイノエRhexanella verrucosaは、雌雄異型で、雄性先熟の雌雄同体である。そのほか、ウオノエ科には海産魚類の鰓腔(さいこう)や淡水魚類の腹腔に寄生するものがある。

[武田正倫]

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世界大百科事典(旧版)内のウオノエの言及

【タイノエ(鯛の餌)】より

…日本沿岸にふつうに見られる。近い種類に,沿岸産の魚類の口腔に寄生するウオノエCymothoa eremita,深海魚に寄生するソコウオノエCodonophilus oxyrhynchaenusや,シマアジに寄生するシマアジノエCodonophilus trigonocephalusなどがいる。【蒲生 重男】。…

※「ウオノエ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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