ウォークマン難聴

六訂版 家庭医学大全科 「ウォークマン難聴」の解説

ウォークマン難聴
(中毒と環境因子による病気)

 携帯用音楽再生機(テープ、CD、MDなどを再生するもの)の出す大きな音に長期間さらされることによって起こる慢性騒音性難聴のひとつです。

 この難聴内耳性難聴で、長い期間大音量にさらされることによって内耳の感覚細胞である有毛細胞が破壊されて起こります。したがって1日の平均使用時間と音の大きさ(音量レベル)が発症に関係します。いったん有毛細胞が壊れると元にもどることはなく、難聴は回復することはありません。この騒音性難聴の初期には4000㎐(ヘルツ)付近の音が聞こえにくくなります。会話領域の音は500~2000㎐なので内耳の障害が起こっていても日常生活に聴力支障はなく、初期には気がつきません。

 その後も騒音にさらされ続けると会話領域の難聴に進みます。ヘッドホンの音は100㏈(デシベル)を超えることが少なくなく、このレベルの音を長時間聞き続けるのは耳によくありません。

予防対策はどうするか

 携帯用音楽再生機を使用する場合は、密閉型ヘッドホンの使用をなるべく避ける、音量を上げすぎない、周囲が騒がしいところでの使用は避けるなどを心がける必要があります。聴力検査により、会話領域の障害に進む前に見つけることが大切です。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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