百科事典マイペディアの解説
聴力検査【ちょうりょくけんさ】
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大きく二つに分類できる。一つは耳の聞こえの程度を検査するものであり(狭義の聴力検査)、他の一つは耳の聞こえ方を調べ、それによって難聴をおこしている病巣部位を診断するもの(診断用聴力検査)である。音叉(おんさ)や肉声を用いることもあるが、通常はオーディオメーターを用いる。
狭義の聴力検査では、種々の周波数の純音を用いて、どれくらい小さな音の強さまで聞こえるか(最小可聴域値)を測定することが多い(純音域値検査法)。しかし、日常の生活に必要な会話がどれくらい聞こえるかを知るためには会話音を用いた検査がよい。そのためには種々の会話音を録音しておき、それを再生しオーディオメーターを通して、音の強さを一定にして検査する(語音聴力検査)。語音の強さをしだいに小さくして、どの強さまで聞こえるかを測定する方法(語音域値検査)と、種々の語音を十分聞こえる強さで聞かせ、正しく聞こえるのが何%かを測定する方法(語音明瞭(めいりょう)度検査)とがある。そのために日本ではオーディオロジー学会で決められた語音表を使用するのが普通である。補聴器が適しているか否かを知るのにはこのような検査がよい。
診断用聴力検査の種類はたくさんあるが、代表的なものをあげると、一つは骨を通って伝わる音を用いた骨導検査により伝音難聴と感音難聴を区別する。また、感音難聴のなかで、音の強さのわずかの変化を感知できるのは内耳性難聴、異常な順応を示すのが後迷路性難聴、方向感覚検査により中枢性難聴などを診断できる。
[河村正三]
伝音難聴と感音難聴の区別をする検査です。耳鳴りやめまいの原因解明などにも、この検査を行います。検査前は騒音を避け、補聴器、ピアスなどは外します。
難聴の原因と程度を判定する検査
おもに、音がきこえにくくなった(難聴)ときに行う検査です。難聴は、耳の伝音系(外耳から鼓膜)の異常による場合、感音系(内耳から聴覚神経)の異常による場合、また、両者が障害されておこる混合性に分けられます。
一方、難聴の原因としては、老人性、中毒性(ストレプトマイシンなどの薬物服用)、内耳炎、中耳炎、外傷、腫瘍でおこるもの、さらに原因不明の突発性などがあります。
聴力検査では、伝音難聴と感音難聴の区別をします。
その他、耳鳴り、めまいの原因解明のためや、耳の炎症(外耳炎、中耳炎、内耳炎)、メニエール病、外傷(鼓膜損傷)、神経腫瘍、顔面
老人性難聴では高い音がきこえにくくなる
音は、大きさ(デシベル)と波長(ヘルツ)の組み合わせできこえます。老人性や中毒性の難聴では、鈴のような高い音(波長が大きい)がきこえにくく、メニエール病では、男性の声のような低音がきこえづらくなります。
■難聴の程度
縦軸のdBはデシベルといい、音の大きさを表す。20dBより上(弱い音)が聴こえるのが正常。
本例は、左聴力が低下(×)し、感音性難聴(])を示している。
約10~15分で終了
防音された検査室で、オージオメーターという機械を使って検査します。
まず、ヘッドホーン(気道聴力用)を両耳に当て、よくきこえるほうの耳から検査をします(反対側の耳は遮音しておく)。断続的な音(1秒に2拍の音)が出るのをききとり、きこえたらボタンを押し、だんだん波長を上げ(高い音)、次に波長を下げながら(低い音)調べます。約10分で終了します。
以上の検査で聴力に異常があったら、次に感音性障害か伝音性障害かを区別するために、骨導聴力用イヤホーンをつけて検査します。
きこえにくいほうの耳たぶの後ろにある骨に骨導端子を当て(よいほうの耳は遮音して)、異なった波長の音がききとれるかどうかを調べます。
約15分ですべて終了します。
音楽やラジオをききながらの来院は禁止
検査前は、騒音の環境を避けます。ヘッドホーンで音楽やラジオをききながら、来院しないでください。
補聴器は使用しないで検査します。イヤリングやピアスは外します。
体調(ストレス)で結果が変動することがあるので、体調の悪いときは日を改めます。
疑われるおもな病気の追加検査は
◆メニエール病→平衡機能検査、頭部CT、眼振検査など
医師が使う一般用語
「ちょうりょくけんさ」
出典 法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」四訂版 病院で受ける検査がわかる本について 情報
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