ウズマキゴカイ(英語表記)snail-worm
Janna foraminosus(=Dexiospira foraminosus

改訂新版 世界大百科事典 「ウズマキゴカイ」の意味・わかりやすい解説

ウズマキゴカイ
snail-worm
Janna foraminosus(=Dexiospira foraminosus

多毛綱ケヤリムシ目ウズマキゴカイ科の環形動物。うず巻状の石灰質の殻をもつところからこの名で呼ばれる。東北地方以南に分布し,小石貝殻海藻の上などに着生する。体は15~20体節で3剛毛節の胸部腹部からなり,直径2~3mmの右巻きの白い殻の中で生活する。頭部には4対の鰓糸(さいし)からなる鰓冠と1個の殻蓋がある。殻蓋は円筒状で前端に石灰質の板があり,卵から幼虫まで育てる保育室になっている。殻の背面には3本の隆起線が走っている。ウズマキゴカイ科Spirorbidaeの中には左巻きの殻をもつものもあり,殻の表面の彫刻にも種々の模様がある。日本に14種類がすむ。有用海藻などに密着して害を与える場合がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウズマキゴカイ」の意味・わかりやすい解説

ウズマキゴカイ
うずまきごかい / 渦巻沙蚕
snail-worm

環形動物門多毛綱定在目カンザシゴカイ科に属する小さな渦巻状の殻に入ったゴカイの一種、またはこの類の総称。ウズマキゴカイDexiospira foraminosusは、殻の直径2~3ミリメートルで右巻き、背面に3本の隆起線が走っている。種類によっては殻が左巻きのものや表面が平滑なものなどがある。環節数は15~20個。頭部に4対の鰓糸(さいし)と1個の殻蓋(かくぶた)がある。殻蓋は円筒形で前端に石灰質の板があり、外敵がくると殻の入口をふさいで身を守る。また殻蓋の筒の中で卵から幼虫になるまで子を育てる。東北地方以南の浅海に分布しており、海藻、石、貝殻などの上に着生する。現在日本に14種が知られている。

[今島 実]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウズマキゴカイ」の意味・わかりやすい解説

ウズマキゴカイ
Janua (Dexiospira) foraminosa

環形動物門多毛綱定在目カンザシゴカイ科。体節数 15~20で,直径2~3mmの右巻きの白い棲管の中にすむ。頭部に4対の鰓糸と1個の殻蓋がある。殻蓋は円筒形で,棲管の口をふさいで身を守る働きをする一方内部は哺育室になっていて,卵から幼生になるまでここで育てる。東北地方以南に分布し,小石,貝殻,海藻の上などに着生する。

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