改訂新版 世界大百科事典 「ウッドローズ」の意味・わかりやすい解説
ウッドローズ
wood rose
Ceylon morning-glory
Merremia tuberosa(L.)Rendle(=Ipomea tuberosa L.)
ヒルガオ科の多年生つる植物。つるは長さ30mにも及び,半木質状で,掌状の5~7深裂した葉が互生する。花は葉のもとに1~数花つき,漏斗状の合弁花で黄色,朝早く咲き数時間でしぼむ。花の終わったあと萼片が果実を包んだまま大きくなり,そののち乾燥し木質化して四方へひろがりバラの花のような感じとなるので,ウッドローズの名がある。ウッドローズはドライフラワーとしてよく用いられ,ハワイでは観光みやげとしての生産栽培も盛んである。たぶん,熱帯アメリカ原産の植物であるが,アフリカやアジアの熱帯域に広く栽培され,野生化している。学名のように地下にいもを生じ,サツマイモのように食用にされることがある。
栽培は室内で10℃の温度を保ち,日当りのよい場所に置く。つる性のため行灯仕立てとするが,花は咲きにくく日本でもまだ開花した例がない。
執筆者:坂梨 一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報