花弁が互いにその辺縁で合着した合弁花冠をもつ花。花弁の合着の程度はさまざまで,レンギョウのように基部に限られているものから,アサガオのように全長にわたっているものまである。花弁がすべて独立しているものを離弁花というが,合弁花は離弁花より進歩した花である。合弁花をもつすべての植物は,胚珠の珠皮が1枚であるところから,系統的にまとまった群と考えられ,合弁花をもつ植物をまとめて合弁花類とする意見がある。しかしツバキのように花弁に癒合のみられる離弁花類の例もあるし,逆に合弁花類に入れられているもののうち,ツツジ科,カキノキ科などおしべが2輪生となるものはむしろ離弁花類に近縁と考えられる。離弁花から合弁花への進化は単系的なものではないから,この形質だけで分類群を定義するのは正しくない。合弁花類のうちより進歩した群ではおしべの花糸がさらに花弁の合着部に癒合していて,合弁花冠の形成に関与している例もある。合弁花には,シソ科やゴマノハグサ科のように,背腹性と関係して強い2唇形をとるようになり,訪花昆虫(とくにハチ,アブの類)の進化と呼応してさらに特殊化しているものも多い。
執筆者:福岡 誠行
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