日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒルガオ科」の意味・わかりやすい解説
ヒルガオ科
ひるがおか
[学] Convolvulaceae
双子葉植物、合弁花類。つる性の草本が多く、まれに木本もある。葉は単一で互生し、托葉(たくよう)はない。花は4、5数性、両性で放射相称。花冠は漏斗(ろうと)形、高杯形、鐘形などで、つぼみのときは裂片は中央脈で二つに折れ、全体が渦巻状に重なる。果実は蒴果(さくか)または液果。世界に51属約1600種分布する。4亜科に分けられ、日本産は次の3亜科に含まれる。ネナシカズラ亜科は寄生生活をし、雄しべの基部に鱗片(りんぺん)があり、ネナシカズラ属のみからなる。ヒルガオ亜科は緑色植物で、子房は分裂せず、花柱は1本である。日本にはヒルガオ、コヒルガオ、ノアサガオなど10属13種が野生している。サツマイモ属には作物のサツマイモ、観賞用のアサガオをはじめ、帰化の種類が多い。ほかにセイヨウヒルガオ属、フサヒルガオ属などが帰化し、ヨルガオ属が栽培される。アオイゴケ亜科は子房は2裂し、花柱は2本ある。日本にアオイゴケ属がある。
[高橋秀男 2021年6月21日]
APG分類でもヒルガオ科とされる。この分類による2018年のデータでは世界に約60属1900種が分布し、日本には13属36種がみられる。
[編集部 2021年6月21日]