うどんげ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「うどんげ」の意味・わかりやすい解説

うどんげ
うどんげ / 優曇華

昆虫綱脈翅(みゃくし)目クサカゲロウ科の昆虫の卵をいう。クサカゲロウの成虫は、人家付近の樹木に卵を産み付けるが、灯火によく飛んでくるので、室内の器物にも産卵することがある。卵は、分泌物でつくられたテグス糸状の、15ミリメートルほどの直立した柄(え)の上についており、普通十数本が1か所にまとめて産み付けられる。これが、ちょうど花が咲いたようにみえることから、仏教でいう3000年に一度咲くといわれる優曇華の花になぞらえて吉兆のしるしとした。古くは、箏(そう)の花とか琴花(きんか)とよんだこともある。

[山崎柄根]


ウドンゲ
うどんげ / 優曇華
[学] Ficus racemosa L.
Ficus glomerata Roxb.

クワ科(APG分類:クワ科)の常緑高木。ウドンゲノキともいう。原産地インドで、樹形はガジュマルに似る。花はイチジクと同様に壺(つぼ)状の花托(かたく)の内面につき、小形で外からはみえない。果実は約3センチメートル、形はイチジク状で食用とする。葉はゾウ家畜飼料にする。樹液ゴム質を含み、とりもちをつくる。材は上質ではないが、建築材とされる。

[星川清親 2019年12月13日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

関連語 比喩 開花 軟質

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「うどんげ」の意味・わかりやすい解説

ウドンゲ(優曇華)
ウドンゲ
Ficus glomerata

ウドンゲの名で呼ばれる植物は,インド原産のクワ科の常緑高木で,ガジュマル,インドゴムノキベンガルボダイジュなどと近縁の種類である。同属のイチジクと同様,花が隠頭花序の中に隠れていて,いきなり果実となるため花の存在が目立たない。このため 3000年に1度の開花というような神秘的な想像を生み,仏典で稀有なことの比喩に用いられる。ヒマラヤ付近からデカン半島,さらにミャンマー東部にかけて分布し,材は軟質なためあまり有用ではないが,ドアや安価な家具に使うこともある。なおウドンゲの名はサンスクリット語udumbaraに由来するといい,ヒンドゥー教の聖木とされている。

うどんげ

「クサカゲロウ」のページをご覧ください。

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