日本大百科全書(ニッポニカ) 「インドゴムノキ」の意味・わかりやすい解説
インドゴムノキ
いんどごむのき
[学] Ficus elastica Roxb. ex Hornem.
クワ科(APG分類:クワ科)の常緑高木。インド北部、ネパール、ミャンマー(ビルマ)が原産地。熱帯では広く栽植される。高さが30メートルに達し、枝から気根を多数垂れ下がらす。葉は互生し、長さ20~30センチメートル。葉脈は中軸に直角に出る。黄斑(きふ)入りのフイリインドゴムノキcv. variegata、白斑入りのシロフインドゴムノキcv. Doespheri、葉が短く卵形で、葉柄も短いデコラcv. Decoraなど10ほどの園芸品種がある。同属の近縁種には、熱帯アフリカ原産で葉が波打ち、通常の葉脈をもつカシワバゴムノキF. lyrata Warb.、枝が細かく分枝し垂れるベンジャミンゴムノキ(ベンジャミン、シダレガジュマル)F. benjamina L.のほか、ガジュマル、インドボダイジュなどがある。ベンジャミンゴムノキはインド、東南アジア、オーストラリア北部の原産で、なかには初めは樹上で着生し、気根が宿主に沿って広がり、宿主を絞め殺して枯らし、成長して独立する種類もある。これらのフィカス類はイチジク属であり、旧熱帯を中心に800種あり、いずれも傷つけると白い乳液を出し、果実はイチジク状である。冬季は5℃以上を必要とし、繁殖は挿木による。
[湯浅浩史 2019年12月13日]