ウラジロナナカマド(読み)うらじろななかまど

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウラジロナナカマド」の意味・わかりやすい解説

ウラジロナナカマド
うらじろななかまど / 裏白七竈
[学] Sorbus matsumurana Koehne

バラ科(APG分類:バラ科)の落葉低木。高さ1~2メートル。葉は互生し、奇数羽状複葉、長さ10~20センチメートル。小葉は9~13枚で長楕円(ちょうだえん)形ないし狭長楕円形、長さ2~7センチメートル、無柄で、上半部には鋸歯(きょし)があるが、下半部は全縁。表面は鮮緑色、裏面は粉白色。名はナナカマドに似るが、葉裏が白いことによる。6~8月、枝の先に径約1センチメートルの白色の5弁花を散房状につける。果実はなし状果で、秋に紅熟し、やや楕円形で長さ1~1.5センチメートル、径約1センチメートル、先端は星状の溝となる。日本固有種で、本州の白山以北、北海道の亜高山帯上部から高山帯下部に分布する。晩秋の落葉時の紅熟果は印象的である。

[鳴橋直弘 2019年12月13日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウラジロナナカマド」の意味・わかりやすい解説

ウラジロナナカマド(裏白七竃)
ウラジロナナカマド
Sorbus matsumurana

バラ科の落葉小高木。本州中部以北の高山帯に生える。高さ約 2mで全株無毛。葉は有柄で互生し奇数羽状複葉。小葉は4~6対,長楕円形で上半部に鋸歯があり,表面は青緑色,裏面は粉白色で縁はやや内曲する。7月頃,枝先に散房花序をつけ,径約 1cmの白花を密に咲かせる。花弁は5枚,円形で花爪があり,先端が凹状にくぼむ。おしべは約 20本,めしべの花柱は5本。果実は球状広楕円形で紅黄色に熟し,無毛で先端には5個の小孔が星状に並ぶ。和名は葉裏の白いナナカマド (七竈)の意。

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