うれ(読み)ウレ

デジタル大辞泉 「うれ」の意味・読み・例文・類語

うれ

[代]《「おれ」の音変化か》二人称人代名詞相手を軽くみて、またはののしって呼ぶ語。おのれ。うぬ。
「おのれは日本一の剛の者に組んでうずな、―」〈平家・七〉
[補説]呼びかける場面に現れることが多いため、感動詞とみることもできる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「うれ」の意味・読み・例文・類語

うれ

  1. 〘 代名詞詞 〙 対称。おまえ。身分の低いものに呼びかけて感動詞的に用いる。
    1. [初出の実例]「熊谷次郎、子息の小次郎を呼うでいひけるは『〈略〉いざうれ、〈略〉一の谷の真先かけう』」(出典:平家物語(13C前)九)

うれの語誌

( 1 )「おのれ」→「おれ」→「うれ」と転じて成立したものか。「おれ」は古代から例があるが、「うれ」は中世の例があるのみである。「おのれ」は反射指示代名詞であったが、「おれ」は自称と対称とに使われ、「うれ」は対称としてだけ用いられる。
( 2 )「おれ」も「うれ」も省略形であるため、相手をやや軽くみて呼びかける使い方が生じ、「おのれ」や「おれ」と併用されたところから、対称の意が薄れて、感動詞的に使われるようになったものと思われる。

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