エウリュステウス(その他表記)Eurystheus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エウリュステウス」の意味・わかりやすい解説

エウリュステウス
Eurystheus

ギリシア神話人物ステネロスの息子。ヘラクレスの誕生する前に,やがて生れるペルセウス子孫ミケーネの王になるとゼウスが宣言するのを聞いたヘラが,娘の出産の女神エイレイテュイアに命じて,ヘラクレス出生を遅らせ,彼のほうを先に生れさせたためにヘラクレスの主君となり,彼に 12の難事業を課して苦しめた。ヘラクレスの死後も彼の子供たちに迫害加え,最後にはヘラクレスの甥で忠実な従者であったイオラオスに殺されたという。

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世界大百科事典(旧版)内のエウリュステウスの言及

【ヘラクレス】より

… ゼウスがアンフィトリュオンAmphitryōnの妻アルクメネAlkmēnē(二人とも英雄ペルセウスの孫)に生ませた子で,彼がテーバイの地で生まれようとした日,ゼウスは妃ヘラに,今日生まれるペルセウスの後裔はアルゴスの支配者となろうと語った。つねづね夫の素行に目を光らせていたヘラはこれを聞くと,お産の女神エイレイテュイアEileithyiaに命じてヘラクレスの誕生を遅れさせる一方,アルクメネの従兄にあたるアルゴス王ステネロスSthenelosの子エウリュステウスEurystheusを先に生まれさせた。彼女はさらに赤児のヘラクレスを殺そうとその揺りかごに2匹の蛇をはいこませたが,将来の英雄はなんなくそれを締め殺した。…

※「エウリュステウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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