日本大百科全書(ニッポニカ) 「エゾメバル」の意味・わかりやすい解説
エゾメバル
えぞめばる / 蝦夷眼張
white-edged rockfish
[学] Sebastes taczanowskii
硬骨魚綱カサゴ目フサカサゴ科に属する海水魚。岩手県以北、北海道、沿海州などに分布する。別名の「ガヤ」は、「がやがや」と、うるさいほどたくさん集まってきて、よく釣れることに由来する。体は灰褐色または赤褐色で、しばしば小さくて白い斑紋(はんもん)があり、尾びれの後縁が白いことなどがこの種の特徴である。沿岸の岩礁地帯でもっとも普通にみられ、ときには河口や汽水湖にも入る。おもに底生動物などを食べる。11月ごろに交尾し、3~4月ごろに受精し、5~6月ごろに仔魚(しぎょ)を産む。1年で10センチメートル、3年で17センチメートル、4年で19センチメートルになる。釣り、刺網(さしあみ)、延縄(はえなわ)などで多量に漁獲される。味がメバル類のなかでは劣るので、安値で取引されるが、新鮮なものは煮つけにすると美味である。
[尼岡邦夫]