最新 地学事典 「エネルギーコーン」の解説
エネルギーコーン
energy cone
噴煙柱の高さと見かけの摩擦係数から火砕流の到達限界を推定する方法。火砕流の噴出エネルギーと流走過程で消費されるエネルギーとが等しいと仮定したエネルギー線を擬似的に三次元に拡張し円錐としたものである。すなわち,噴火のエネルギーによって,噴出物がガススラストとなって火口から空中に放出され,その頂点で位置エネルギーが最大になる。この位置エネルギーはガススラストの崩壊に伴う噴出物の落下によって運動エネルギーに変換される。火砕流は噴出物が火山体斜面に落下して生じ,落下および斜面を下ることで,位置エネルギーから変換される運動エネルギーによって流走する。火砕流のもつ運動エネルギーは火山体斜面との摩擦によって消費され,すべてのエネルギーが消費されたところで火砕流は停止する。このガススラストの頂点と堆積した火砕流の先端を結んだ線分が水平面となす角を,火砕流の落差をH,水平方向の流走距離をLとすると,エネルギー線はH/L=tanφで示される。ガススラストの崩壊が火砕流を等方的に流走させるように起これば,エネルギーコーン内のすべての領域に火砕流が達することになる。参考文献:M.F.Sheridan et al. (1983) J.Volcanol. Geotherm. Res.,Vol.17
執筆者:鎌田 桂子
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

