エルサルバドル内戦

共同通信ニュース用語解説 「エルサルバドル内戦」の解説

エルサルバドル内戦

1980年、親米右派政権下で人権派指導者が暗殺されたことを機に政府と左翼ゲリラ対立が激化し、内戦に突入した。ゲリラが連合組織「ファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)」を結成したのに対し、政府は米国支援を受けた。92年、政府とFMLNが国連仲介で和平協定に調印してFMLNは武装解除を終え、約7万5千人の死者を出した内戦が終結した。国連監視下の和平プロセスは、成功例として評価されている。(共同)

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知恵蔵 「エルサルバドル内戦」の解説

エルサルバドル内戦

1980年に起きた進歩派のロメロ大司教の暗殺事件をきっかけに、右派政府に対して左翼ゲリラ5組織の連合体であるファラブンド・マルチ民族解放戦線(FMLN)が内戦を展開した。FMLNは当初、北部から東部の山岳地帯を中心に優勢な戦いを進め、83年には国土の3分の1を支配区としたが、政府軍に米国の軍事援助が行われるようになると守勢に追い込まれ、92年に両者は和平協定に合意した。FMLNは政党としての活動を宣言し武装解除した。94年に行われた内戦後初の大統領選挙以来、右派の民族主義共和同盟(ARENA)が政権を握っている。2004年6月には同党のサカが大統領に就任した。一方で、議会ではFMLNが多数派を握った。

(伊藤千尋 朝日新聞記者 / 2007年)

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