エンゲルスベリ製鉄所（読み）エンゲルスベリセイテツジョ（英語表記）Engelsberg Ironworks

デジタル大辞泉

エンゲルスベリ‐せいてつじょ【エンゲルスベリ製鉄所】

《Engelsbergs bruk》スウェーデン中部にある製鉄所跡。ストックホルムの北西約140キロメートルに位置する。良質な鉄鉱石の産地にあり、森林資源も豊富だったため、中世より製鉄が始まった。16世紀にスウェーデン王グスタフ1世がドイツから職人を招き、以降、300年にわたって同国の鉄鋼生産の中心地となった。1993年に世界遺産（文化遺産）に登録された。エンゲルスバーリ製鉄所。

出典　小学館

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

エンゲルスベリ製鉄所
エンゲルスベリせいてつじょ
Engelsberg Ironworks

スウェーデン中部，ストックホルムの北西約 150kmにある製鉄所跡。この地域は鉄の含有率の高い鉄鉱石の産地であったうえ，森林資源が豊富で燃料にも恵まれていたことから，6世紀末にはすでに製鉄技術が広まっていた。 1523年の独立回復後，鉱業の発展を意図した国王グスタフ1世はドイツから鍛治職人を招き，16世紀末には操業を開始した。その後，鉄需要急増の波に乗って，製鉄技術も製鉄所組織・設備も急速に進歩した。 1681年に所有者となったラーション・イッレンヘークが第2，第3の新高炉を増設，続く所有者たちも増産に意欲を燃やした。しかし，19世紀半ばにイギリスで開発された新しい製鋼法が各国に普及したことによりエンゲルスベリの製鉄所は衰退の道をたどり，1919年閉鎖に追い込まれた。現在も鋳造設備をはじめ 50あまりの建物は全盛時の姿を保持している。 1993年世界遺産の文化遺産に登録。

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