20世紀西洋人名事典 「エンリコカルーソー」の解説
エンリコ カルーソー
Enrico Caruso
1873.2.25 - 1921.8.2
イタリアのテノール歌手。
ナポリ生まれ。
ナポリの貧しい家庭に生まれ、はじめは聖歌隊で歌っていたが、18才から本格的に声楽を学び、1894年にナポリでデビューした。1902年にトスカニーニの指揮するミラノ・スカラ座に出演し、同年にモンテカルロ歌劇場とロンドンのコヴェント・ガーデンに出演して国際的名声を得た。バリトンのような暗い声質とテノールの持つ柔らかで絹のような声とを混用し、幅の広い表現音域を特徴とした。マスネやプッチーニなどの叙情的オペラを中心に歌い、彼の前にカルーソーはなく、彼の後ろにカルーソーはないと言われ、古今にその比をみない歌手であった。
出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報