おいらせ(町)(読み)おいらせ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「おいらせ(町)」の意味・わかりやすい解説

おいらせ(町)
おいらせ

青森県南東部、上北郡(かみきたぐん)にある町。2006年(平成18)上北郡百石(ももいし)、下田の2町が合併して成立。十和田(とわだ)湖を源流として太平洋に注ぐ奥入瀬川(おいらせがわ)の下流域に展開し、町名は同川にちなむ。町域は東に向かって高度を下げる傾斜台地とそれに続く低地からなり、東は太平洋に臨む。夏には「やませ」とよばれる海からの冷たい偏東風が吹き、冬は低温になるが、降雪量は少ない。第三セクター青い森鉄道(旧、JR東北本線)、国道338号、および百石道路と第二みちのく道路が南北に通じ、奥入瀬川の北側を国道45号が東西に走る。百石道路と第二みちのく道路は下田百石インターチェンジで接続。基幹産業は農業で、奥入瀬川流域の米作ニンジン、イチゴ、ナガイモなどの栽培が主。百石地区では酒造業、電子部品、電気器具、金属製品などの製造業、ホッキガイ漁などの水産業も盛んである。八戸(はちのへ)、三沢(みさわ)の各市に隣接し、交通の利便性に恵まれていることなどから、商業施設の充実が著しい下田地区を中心に、県内では珍しく定住人口の増加傾向がみられる。町の中心部にある下田公園内の間木堤(まぎづつみ)は、全国有数の白鳥飛来地として著名。また例年11月に行われる「おいらせ鮭まつり」では、奥入瀬川の河川敷で鮭のつかみ取りなどのイベントが行われ、多く観光客で賑(にぎ)わう。面積71.96平方キロメートル、人口2万4273(2020)。

[編集部]


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