日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオイタビ」の意味・わかりやすい解説
オオイタビ
おおいたび
[学] Ficus pumila L.
クワ科(APG分類:クワ科)の常緑藤本(とうほん)。よく分枝して不定根を出し他物によじ登り、葉を多くつけて覆い隠す。葉は互生し有柄、楕円(だえん)ないし長楕円形、長さ4~10センチメートル、厚い革質で全縁、裏面は粉白色で毛に覆われた気孔室があり、中の数個の気孔からの蒸散を防ぎ乾燥に強い。いちじく状花序はほぼ洋ナシ形で径約3センチメートル、熟すと紫色を帯びる。雌雄異株とされるが同株もあるらしい。崖(がけ)や石垣などの表面を覆って茂り、本州の関東地方以西、四国、九州、沖縄に生育し、中国大陸南部、台湾、インドシナに分布する。沖縄では石垣の補強に賞用される。
[島袋敬一 2019年12月13日]