胚(はい)の幼根が成長した主根、およびそれから二次、三次と分枝して生じる側根を定根とよぶのに対し、茎や葉から生じた根を不定根という。不定根は、シダ植物や単子葉植物、根茎や匍匐(ほふく)茎で繁殖する双子葉植物などで普通にみられる。地上部からの気根も不定根である。このような場合、不定根のほとんどは節のところから出る。また、人為的にも挿木や組織培養したカルスなどからも不定根を出させることができる。ベゴニアやベンケイソウなどでは、切り取った葉から不定芽とともに不定根を生じる。
不定根の発生は、茎では、やや成熟または成熟した維管束近くの柔組織の細胞分裂活動の再開、および根端分裂組織の形成という過程でおこる。つまり、内生的発生を示しているわけである。こうした不定根の特徴は、側根の発生とも類似している。
[西野栄正]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…中心柱は,原生中心柱と管状中心柱の両型がみられるが,多くのものでは網状中心柱となる。根は根茎の伸長につれて分出する不定根adventitious rootであり,根がなくなっているものもある。葉は大葉性のものが多いが,ヒカゲノカズラ類のように小葉性のものもある。…
…薄囊シダ類では受精卵が2回の細胞分裂を行って四細胞期になった時には,4個の細胞がそれぞれ茎頂,第1葉,あし,根に生長していくことが定まっている。しかし,その後茎が伸長していくにつれて古い部分は枯死してしまうので最初の根はやがて消滅してしまい,のちに茎から分出してくる不定根adventitious rootが,ふつうの薄囊シダ類の根である。有節植物では胚は外向的exoscopicに生長し,胚柄はつけないで,あしに隣接した部分から根が分化してくる。…
※「不定根」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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