日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオメレンコ」の意味・わかりやすい解説
オオメレンコ
おおめれんこ / 大目連子
large-eye dentex
[学] Dentex macrophthalmus
硬骨魚綱スズキ目タイ科キダイ亜科に属する海水魚。アカメダイともよばれる。アフリカ西岸のポルトガル沖から南部のナミビアまでと、カナリア諸島、地中海に分布する。吻(ふん)がわずかに突出し、頭長は眼径の3.3倍で、目が大きいのが特徴。上顎(じょうがく)の後端は目の中央下に達するか、わずかに達しない。両顎の前部には上顎に4本、下顎に約8本の犬歯があり、とくに上顎の犬歯は強大。上下両顎の側部には1列の微小な円錐歯(えんすいし)がある。側線鱗(りん)数は49~53枚とやや多い。体の背側面は赤色~赤褐色で、腹側面は赤みを帯びた銀白色~銀灰色。生時には頭部背面から背びれ軟条部基底にかけて側線と並行して走るオリーブ色の縦帯がある。水深30~500メートルの岩または砂底域にすむが、高齢魚ほど深みにいる。季節によって、沿岸から深所へ回遊する。おもに魚類や甲殻類を食べる。最大全長は65センチメートルになるが、普通は30センチメートルくらい。底引網で漁獲される。日本の市場にも冷凍品として相当量が輸入され、ベニメダイ、アカメダイ、メダイ、レンコ、ベニコなどの商品名で流通している。
[赤崎正人・尼岡邦夫 2017年7月19日]