日本大百科全書(ニッポニカ) 「オシャレコショウダイ」の意味・わかりやすい解説
オシャレコショウダイ
おしゃれこしょうだい / お洒落胡椒鯛
lemon sweetlips
[学] Plectorhinchus flavomaculatus
硬骨魚綱スズキ目イサキ科コショウダイ亜科に属する海水魚。和歌山県以南の太平洋岸、八丈島、小笠原(おがさわら)諸島、南大東島、屋久島(やくしま)、南西諸島、台湾、南シナ海など西太平洋、インド洋、紅海に分布する。体は楕円(だえん)形で、体高は少し高い。口は小さいが、口唇は厚く、成長につれて肥厚する。下顎(かがく)の腹面に6個の小孔(こあな)があるが、中央に溝はない。背びれに明瞭(めいりょう)な欠刻（切れ込み）がなく、12～13棘(きょく)21～22軟条からなる。第4棘または第5棘は最長。背びれ軟条部は丸い。尾びれの後縁は湾入形。体は青灰色で、幼魚では黄金色または桃橙(とうとう)色の縦縞(たてじま)模様があり、後に四角い斑紋(はんもん)に分かれ、さらに小さい円形の斑点へと変化する。成長につれて、これらの斑は消失するか、頭部に線や線状斑として残る。最大で全長約72センチメートルになるが、普通は40センチメートルほど。沿岸の浅海岩礁域やサンゴ礁域の周辺に生息する。釣り、突き、追込み網で漁獲され、刺身、煮魚、焼き魚などにするとかなりおいしい。沖縄ではジュリグワークレーとよぶ。頭部に多くの橙黄(とうこう)色の縦帯があることでニジコショウダイに似るが、本種は体の上半部が縦帯ではなくて、斑点や斜線になっていることで区別できる。
［尼岡邦夫 2018年1月19日］
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