日本大百科全書(ニッポニカ) 「オジェシュコバ」の意味・わかりやすい解説
オジェシュコバ
おじぇしゅこば
Eliza Orzeszkowa
(1841―1910)
ポーランドの女流小説家。一生をほとんどリトアニアのグロドノで送り、1863年の一月蜂起(ほうき)に参加、夫との不和などで困難な立場に置かれたが、膨大な読書により独力で広い視野を身につけ、旺盛(おうせい)な執筆、社会活動を行った。『マルタ』(1873)では女性解放問題を、『メイル・エゾフォビッチ』(1878)ではユダヤ人問題を、『がさつ者』(1889)では農民問題を描き、また祖国を捨てイギリスに帰化した作家J・コンラッドを激しく非難するなど、幅広い社会的関心を示した。代表作はリトアニアのポーランド社会の一大パノラマ『ニェメン川のほとり』(1888)である。
[長谷見一雄]