おひゃる(読み)オヒャル

デジタル大辞泉 「おひゃる」の意味・読み・例文・類語

おひゃ・る

[動ラ四]
おひゃらかす」に同じ。
「おいらが顔の棚おろしか。いいかげんに―・るものだ」〈人・娘節用・前〉
おべっかを言う。へつらう。
「―・る手合を四、五人ひきつれて」〈滑・浮世風呂・三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「おひゃる」の意味・読み・例文・類語

お‐ひゃ・る

  1. 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙 内心ではからかいの気持をもちながら、表面ではほめたてるようにして、人の気をそそる。おひゃらかす。おへらかす。
  2. (イ) からかって人をのせる。おだてる。
    1. [初出の実例]「何をいふかと思ったら、おいらが顔の棚おろしか。いい加減におひゃるものだ」(出典:人情本・仮名文章娘節用(1831‐34)前)
  3. (ロ) おべっかをつかって、おだて上げる。追従(ついしょう)を言う。
    1. [初出の実例]「百両の富に当たりしにつけこみ、なんでも割前をせしめんとて、無性におひゃり散らかし」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)八)
  4. (ハ) その気になるようにそそのかす。おだててけしかける。
    1. [初出の実例]「全く一角が殺しは殺したんだが、実は私がおひゃって遣らしたのだ」(出典:真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉七三)

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