日本大百科全書(ニッポニカ) 「オフレアティ」の意味・わかりやすい解説
オフレアティ
おふれあてぃ
Liam O'Flaherty
(1896―1984)
アイルランドの小説家。アラン島に生まれる。第一次世界大戦に従軍、のち3年間、世界を放浪して旅した。1922年にはアイルランド独立運動で活躍した。迫力あるサスペンス・スリラーで、「魂のメロドラマ」の域に達したと評された小説『密告者』(1925)で文名を確立した。『暗殺者』(1928)、『清教徒』(1931)、『反乱』(1950)などの長編小説があり、歴史小説に『飢饉(ききん)』(1937)がある。また短編小説の名手で、アイルランドの農民の生活や、野生の動物の生活を生き生きと描き出した『春の種まき』(1924)、『野生の白鳥』(1932)などの短編集がある。
[小松原茂雄]