旅籠屋(読み)ハタゴヤ

デジタル大辞泉 「旅籠屋」の意味・読み・例文・類語

はたご‐や【旅籠屋】

近世旅行者を宿泊させる食事付きの宿屋
[類語]宿旅館宿屋ホテル民宿ペンション木賃宿モーテルラブホテル連れ込み連れ込み宿

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精選版 日本国語大辞典 「旅籠屋」の意味・読み・例文・類語

はたご‐や【旅籠屋】

  1. 旅籠屋〈広重画東海道五十三次〉
    旅籠屋〈広重画東海道五十三次〉
  2. 〘 名詞 〙 宿駅武士や一般庶民の宿泊する食事付きの旅館。近世においては、普通に旅人を泊める平旅籠屋と、黙許売笑婦を置く飯盛旅籠屋とがあった。はたご。
    1. [初出の実例]「ハタコ屋無縁堂 池端御童子初参」(出典:大乗院寺社雑事記‐文明八年(1476)六月二六日)
    2. 「無下の寒村なれば、好き飯店(ハタゴヤ)を得がたからん」(出典読本南総里見八犬伝(1814‐42)九)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「旅籠屋」の意味・わかりやすい解説

旅籠屋
はたごや

近世の宿場にあって、おもに一般庶民や公用旅行以外の武士が利用した休泊施設。飯盛(めしもり)女を抱える飯盛旅籠屋と、そうでない平(ひら)旅籠屋の二つがあった。「はたご」とは元来、馬の飼料を盛る籠(かご)のことをいい、のちには旅行用の食料・雑品の入れ物や、食料そのものをさすようになり、転じて旅行者を宿泊させて食事を提供する旅宿を旅籠屋とよぶようになった。これに対し、旅行者自身が食料を持参して、薪炭代(木賃(きちん))のみを支払う旅宿を木賃宿とよび、旅籠屋より下等とされた。旅籠屋の経営が成り立つのは、東海道のように交通量が多く、四季を通じて旅行者のある所だけで、ほかの街道では農業などと兼業であった。宿場によって旅籠屋数は異なるが、幕末期の東海道の宿駅の場合には一宿平均57軒である。

[渡辺和敏]

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「旅籠屋」の解説

旅籠屋

正式社名「株式会社旅籠屋」。英文社名「Hatagoya & Company」。サービス業。平成6年(1994)「株式会社旅籠屋本店」設立。同12年(2000)現在の社名に変更。本社は東京都台東区寿。ホテルチェーン。米国のロードサイドホテルをモデルにした宿泊特化型小規模宿泊施設「ファミリーロッジ旅籠屋」を運営。高速道路のインターチェンジ周辺や主要幹線道路沿いに展開

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世界大百科事典(旧版)内の旅籠屋の言及

【宿場町】より

…それを拡充整備したのは江戸幕府で,五街道には宿を置いて幕府が直轄した。宿には運輸・通信にあてるために人馬を常備させ,休泊のためには旅籠屋,茶屋を置いた。宿場は従来の集落を基盤にしたものが多いが,新しく近隣から集めて形成した場合もあったので,一宿が行政上では数ヵ村にわたり,あるいは2郡にまたがることもあった。…

【旅籠】より

…旅籠は元来,馬料入れの丈の低い竹籠をさしたが,《今昔物語集》等によれば旅行中に食糧を入れて持参する旅具であった。中世には宿屋が出現して馬の飼料を用意し,その馬槽を宿屋の看板としたことから〈馬駄餉〉,後世転じて旅籠屋というようになった。このようにして旅籠には,馬の食を盛る籠,旅行の食糧雑品を入れる竹の容器,宿屋,宿屋の食料,宿料といった各様の意味と変遷がある。…

※「旅籠屋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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