ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オルバン」の意味・わかりやすい解説
オルバン
Orbán Viktor
ハンガリーの政治家。首相(在任 1998~2002,2010~ )。冷戦終結後の中央・東ヨーロッパ諸国で最初に誕生した,ソビエト連邦時代の共産主義体制に所属していなかった内閣の首班。1987年ブダペスト大学で法学の学位を取得。反共産主義政党の青年民主連盟 Fideszの創設メンバーとなる。1989年イギリスのオックスフォード大学で政治哲学を学び,1990年,新体制初の選挙で国会議員に当選した。1993年 Fidesz党首となり,中道右派勢力と組むことで党の方針も中道右派へと舵を切った。1998年の選挙で Fidesz連立勢力は最多議席を獲得し,首相に就任。閣僚には以前の政権に無関係の若手を多数起用し,また自由市場経済への移行を進めた。ハンガリーはヨーロッパで積極的な役割を果たすべきと主張し,1999年北大西洋条約機構 NATOへの加盟を実現した。2000年1月,Fidesz党大会で首相と党首は兼任できないことが決定したため党首を辞任。2002年の選挙で Fideszがハンガリー社会党 MSzPに敗退し,首相職を退いた。しかし MSzPが集票のため国の経済状態を偽ったことが暴露されるとオルバンの支持率は上昇,2009年6月 Fidesz党首に再選された。2010年4月半ばの選挙で Fideszが圧倒的な勝利を収め,首相に返り咲いた。
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