日本大百科全書(ニッポニカ) 「カキヂシャ」の意味・わかりやすい解説
カキヂシャ
かきぢしゃ / 掻萵苣
asparagus lettuce
[学] Lactuca sativa L. var. asparagina Bailey
キク科(APG分類:キク科)の一年草または越年草。チシャの一種で、中国原産。クキヂシャ、チシャトウともいう。古くから日本に渡来し、現在のタマヂシャ(レタス)が普及するまでは広く栽培されていた。茎は太く、30~50センチメートルに伸び、多くの葉がつく。葉は深緑色で柔らかく、赤紫色の品種もある。春に種子を播(ま)いて、2~3か月後から葉を順次掻(か)き取って用いる。葉にはやや苦味があり、生食には適さないので、一度ゆでてから用いる。太い茎は柔らかく多汁質で、これも食用とし、中国料理に用いるが、日本では従来漬物や煮食用とした。最近はごく若い葉はなまで、茎はゆでてからサラダにして食べるようになった。
[星川清親 2022年2月18日]