日本大百科全書(ニッポニカ) 「カサイ川」の意味・わかりやすい解説
カサイ川
かさいがわ
Kasai
アフリカ中西部、コンゴ民主共和国(旧ザイール)南部とアンゴラ北東部を流れるコンゴ川の一大支流。全長約2200キロメートル。アンゴラ中央部のベンゲラ高原に源を発し、コンゴ民主共和国との国境の町ディロロ付近から北流して約500キロメートルにわたり両国の国境をなす。上・中流部にはいくつかの早瀬をはじめとする遷急点をもち、チカパ川やロブア川と合流後にはウィスマン滝がある。その後すぐルルア川と合流し、以降ほぼ北西流に転ずる。この合流地点から約100キロメートル下流の港町ポート・フランキーを経てすぐサンクル川と合流する。このあと、北流するルアンゲ川、クワンゴ川など大小の支流と合流し、南緯3度付近で西流してきたフィミ川と合流してクワ川となり、その後約30キロメートルでコンゴ川に流入する。その下流200キロメートル弱の地点にコンゴ民主共和国の首都キンシャサがある。中流部のポート・フランキーまでは800トン前後の船が航行できる。
[堀 信行]