1979年に登録された世界遺産(文化遺産)で、ブルガリア中央部、カザンラック北東のトュベルト公園内に位置する。ローマ帝国時代のトラキア人の首都セウトポリス近郊にある紀元前4世紀の古墳で、第二次世界大戦中に兵士が防空壕を掘っている際に、偶然発見された。墓の内部には、「弔いの宴」と呼ばれ、優れたヘレニズム文化を伝える貴重な彩色壁画が残っている。これはトラキア人の埋葬の儀式と文化を描いたもので、2000年以上も時を経たものとは思えない鮮やかな彩色が施され、トラキア芸術の最高峰とされることから、人類の歴史上、重要な時代を例証するものとして、世界遺産に登録された。◇英名はThracian Tomb of Kazanlak