19世紀以来,特にスペインの復古王政下で,カシケと呼ばれる地域社会の有力者が民衆と公権力の仲介者として政治システムを事実上支配した状況をさす。カシケは民衆に就職を斡旋し,税・兵役の免除を保証したりする代わりに選挙前の合意形成を求め,選挙棄権を促し票を操作して,因習的地域社会における政治的・行政的実権を掌握した。しかし左翼勢力が民衆を政治運動に動員するようになると,カシケの影響力は徐々に弱まった。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…もともとは西インド諸島の原住民のことばで長を意味した。新大陸のスペイン人征服者や植民者が西インド諸島以外のインディオ社会の指導者にもこの語を当てるようになったので,スペイン植民時代に征服者とインディオ社会の仲介者として機能したインディオ社会の指導者を意味するようになった。征服者,エンコメンデロ(エンコミエンダ),コレヒドール,宣教師はカシケを通じてインディオ社会を支配し,代りにカシケは税と強制労働を免除され,乗馬や武具・洋服の着用を認められ,土地の長子相続権が認可されたので,広大な土地所有者となるものもあった。…
…44年に政権を握った穏健派の領袖ナルバエス将軍は,翌45年,憲法を発布するとともに,治安警察Guardia Civilの創設(1844)をはじめ中等教育の制度化,近代的行政官僚機構の設置などの中央集権化政策を徹底させ,さらに進歩派の時代に亀裂が生じたローマ教皇庁との間にコンコルダートを結び(1851),関係の修復にも努めた。また,後にスペイン社会の重要問題となる,地方ボスをはじめとする寡頭支配(カシキスモcasiquismo)の基盤が形成されていったのもこの頃である。 44年から比較的安定していた穏健派政権も,50年代になると内部抗争により基盤が揺らぎ始めた。…
※「カシキスモ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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