日本大百科全書(ニッポニカ) 「カシワマイマイ」の意味・わかりやすい解説
カシワマイマイ
かしわまいまい / 柏舞々蛾
[学] Lymantria mathura
昆虫綱鱗翅(りんし)目ドクガ科に属する昆虫。雌雄により大きさも色彩斑紋(はんもん)もまったく異なる。雄ははねの開張40~50ミリメートル、前翅は黒褐色で白帯があり、後翅は橙黄(とうこう)色。雌ははねの開張70~80ミリメートル、前翅は白っぽく、後翅の基部と腹部は紅色。幼虫はカシワ、クヌギ、コナラ、クリ、サクラ、リンゴなど多くの樹木の葉を食べる毛虫で、大発生すると森林に大きな被害を与える。年1回の発生で、卵で越冬。春に孵化(ふか)した幼虫は、初夏に蛹化(ようか)し、成虫は夏に出現する。日本全土のほか、中国から東南アジアに分布する。
[井上 寛]