ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カゼルタ宮」の意味・わかりやすい解説 カゼルタ宮カゼルタきゅうLa Reggia, Caserta イタリア,ナポリ近郊のカゼルタにある宮殿および庭園。 18世紀前半に,両シチリア王国のカルロ4世 (のちのスペイン王カルロス3世) が遷都を考え,L.バンビテルリに命じて計画させた。建設途中でカルロ4世がスペイン王に即位したため遷都は実現しなかったが,1752年に始まる建設工事は 1774年にほぼ完了し,宮殿は 253m× 202mとヨーロッパ最大級の規模,さらに庭園も全長 3kmの水路を主軸とする広大なものとなった。カルロ4世の曾祖父がルイ 14世にあたるため,明らかにベルサイユ宮殿を意識した点が随所にみられる。水が山上の大グロッタからカスケードを流下し,大運河を流れる庭園構成などは,イタリア式庭園とフランス式庭園の要素が重なり合っている。バンビテルリの当初の計画では王宮前に広場がつくられ,そこからナポリまで一直線に大通りが貫く予定であった。同じくバンビテルリによる水道橋,サン・レウチョ邸とともに 1997年世界遺産の文化遺産に登録。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by