カスケード(英語表記)cascade

翻訳|cascade

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カスケード」の意味・わかりやすい解説

カスケード
cascade

庭園内に人工的に構築される滝。ヨーロッパではイタリア・ルネサンスの庭園のカテーナ・ダッカ (水の鎖) に始る。たくさんの小さな水受けが連なり,上段から水が次々と流れ落ちる形式のもので,ビラ・ランテビラ・ファルネーゼのように苑路の中央に設けられる場合と,苑路を縁取る手すりを段状に造りそこに水を流す場合とがあった。バロック期には滝状の壮大なものが造られ,フラスカティのビラ・トローニア,ビラ・アルドブランディーニに例がみられる。これは各地に影響を与え,ドイツのビルヘルムスヘーエのように 200m以上の落差をもつものも造られた。フランスではイタリア式の大カスケードも造られたが,平坦な土地に展開する整形庭園ではダム形式が多い。中東,インドのイスラム庭園では,チャダールと呼ばれる,石やタイル斜面を水が流下する形式が好んで用いられ,室内に造られることもあった。

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