日本大百科全書(ニッポニカ) 「カッサンドロス」の意味・わかりやすい解説
カッサンドロス
かっさんどろす
Kassandros
(前355ころ―前297)
アレクサンドロス大王没後その遺領を争ったディアドコイの一人で、のちマケドニア王(前305~前297)。摂政アンティパトロスの長男。ポリペルコンを破ってマケドニアを掌握(前317)したあと、帝国分割派のリシマコス、プトレマイオス、セレウコスらにくみしてアンティゴノス、デメトリオス父子と対立した。故王の母オリンピアス、妃ロクサネおよび遺児アレクサンドロス4世を次々と弑(しい)して(前316、前310/309)、アレクサンドロス大王の王統を根絶した。なお、カッサンドリア(ポテイダイア)とテサロニケ(サロニカ)とは、自分と妻との名前をつけて彼が建設した都市である。
[金澤良樹]