カトマンズ盆地(読み)カトマンズぼんち(英語表記)Kātmāndu Valley

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カトマンズ盆地」の意味・わかりやすい解説

カトマンズ盆地
カトマンズぼんち
Kātmāndu Valley

ネパール中東部にあるネパール最大の盆地。直径約 20kmのほぼ円形の盆地で,標高約 1300m。ネパールで人口密度の最も高い地域。バグマチ川と支流のビシュヌマチ川,マナウラ川,ハヌマン川など周辺の山地水源とする川が多く流れる。昔は湖であったといわれ,肥沃農地と温暖な気候に恵まれ,水田による米作を中心として穀類,豆類,蔬菜類が生産されている。かつてこの盆地が三つの王国に分かれていたときの都,カトマンズラリトプールパタン),バクタプール(バドガオン)には歴史的建造物が数多く残され,各都市のダルバール広場(王宮広場)と 12~18世紀に建立された四つのヒンドゥー教・仏教の遺跡群は 1979年世界遺産の文化遺産に登録された。しかし 2015年4月25日に発生したカトマンズ北西約 80kmを震源とするマグニチュード7.8の地震によって,特に 3都市のダルバール広場にある建造物の半数以上とチャングナラヤン寺院が壊滅的な被害を受けた。盆地内は,一周する環状道路とカトマンズから放射される道路によって結ばれ,盆地の中心には国際空港,トリブバン大学がある。

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