日本大百科全書(ニッポニカ) 「カンピン」の意味・わかりやすい解説
カンピン
かんぴん
Robert Campin
(1378/1379―1444)
フランドルの画家。バランシェンヌに生まれる。1406年トゥールネーに親方として登録、1410年同市民。1423~1428年の間、市の行政に組合の指導者の一人として参加。1428年には政治問題で、数年後には私生活に関して告発されている。多くの弟子を擁し活発な芸術活動を行ったようであり、弟子のなかにはジャック・ダレJacques Daret(1404ころ―1470ころ)、ロヒール・ファン・デル・ワイデンがいる。しかし、彼の画業そのものについてはいっさいの資料がなく、作品の帰属、とくに通称「フレマールの画家」と同一視すべきではないかという問題に関して、長期にわたって論争がなされた。今日では、確定的ではないにしても、ほぼ「フレマールの画家」と同一画家というのが一般の定説となっている。
[中山公男]