バランシェンヌ(読み)ばらんしぇんぬ(英語表記)Valenciennes

翻訳|Valenciennes

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バランシェンヌ」の意味・わかりやすい解説

バランシェンヌ
ばらんしぇんぬ
Valenciennes

フランス北部、ノール県の都市。人口4万1278(1999)。リール南東54キロメートルにあってエスコー川に臨む。石炭埋蔵によって工業化が進展したが、石炭・鉄鋼業の不振に伴って工業業種が多様化した。とくに自動車工業石油精製が盛ん。ゴシック様式のサン・ジェリー寺院、市立図書館などが残る。16~17世紀フランドル絵画と18世紀フランス絵画を集めた美術館は有名。神聖ローマ帝国の一部であったが、エーノー伯爵領の中心都市となり、1678年ナイメーヘンの和約でフランス王国に併合された。第一次、第二次の両世界大戦ではドイツ軍による被害を受けた。

[高橋伸夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バランシェンヌ」の意味・わかりやすい解説

バランシエンヌ
Valenciennes

フランス北部,ノール県北部にある都市。リールの南東約 45km,ベルギーへ流れるエスコー川 (スヘルト川) にのぞむ。商工業の重要な中心地で,東に炭田を控え,アルミニウム,鋼管,モータなどを産する。 18世紀末以来重要産業であったレース生産は現在も行われている。ルーベンス,ファン・ダイクの絵を蔵する美術館,フランス有数の写本の収集をもつ図書館,多数の聖堂がある。古来しばしば戦場となったところで,エノー伯のもとで繁栄。ナイメーヘンの和約 (1678) により最終的にフランス領となった。人口3万 9276 (1990) 。

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