バランシエンヌ(英語表記)Valenciennes

翻訳|Valenciennes

改訂新版 世界大百科事典 「バランシエンヌ」の意味・わかりやすい解説

バランシエンヌ
Valenciennes

フランス北部,ノール県都市リール南東約54kmに位置し,エスコー川に臨む。人口4万2343(1999)。炭田が存在し,労働力が豊富であったため,重金属工業を主体とした工業化が進んだ。しかし,石炭産業鉄鋼業の不振によって,自動車・石油精製業などへ転換がなされている。第2次世界大戦中に甚大な損害を受けたが,サン・ジェリー教会,美術館をはじめ歴史的な史跡が残っている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バランシエンヌ」の意味・わかりやすい解説

バランシェンヌ
ばらんしぇんぬ
Valenciennes

フランス北部、ノール県の都市。人口4万1278(1999)。リールの南東54キロメートルにあってエスコー川に臨む。石炭埋蔵によって工業化が進展したが、石炭・鉄鋼業の不振に伴って工業業種が多様化した。とくに自動車工業と石油精製が盛ん。ゴシック様式のサン・ジェリー寺院、市立図書館などが残る。16~17世紀フランドル絵画と18世紀フランス絵画を集めた美術館は有名。神聖ローマ帝国の一部であったが、エーノー伯爵領の中心都市となり、1678年ナイメーヘンの和約でフランス王国に併合された。第一次、第二次の両世界大戦ではドイツ軍による被害を受けた。

高橋伸夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バランシエンヌ」の意味・わかりやすい解説

バランシエンヌ
Valenciennes

フランス北部,ノール県北部にある都市。リールの南東約 45km,ベルギーへ流れるエスコー川 (スヘルト川) にのぞむ。商工業の重要な中心地で,東に炭田を控え,アルミニウム,鋼管モータなどを産する。 18世紀末以来重要産業であったレース生産は現在も行われている。ルーベンス,ファン・ダイクの絵を蔵する美術館,フランス有数の写本の収集をもつ図書館,多数の聖堂がある。古来しばしば戦場となったところで,エノー伯のもとで繁栄。ナイメーヘンの和約 (1678) により最終的にフランス領となった。人口3万 9276 (1990) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android