カンペチェ州(読み)カンペチェ(英語表記)Campeche

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンペチェ州」の意味・わかりやすい解説

カンペチェ〔州〕
カンペチェ
Campeche

メキシコ東部の州。州都カンペチェユカタン半島西部を占める州で,北西はメキシコ湾の支湾カンペチェ湾に面し,南はグアテマラと国境を接する。低平な石灰岩台地からなり,北部に低い丘陵が散在する。西部沿岸には細長い砂州によって外洋から隔てられたテルミノス湖がある。北半は乾燥―半乾燥気候に属するが,南部および東部は高温多雨気候となり,熱帯雨林が形成されている。カンペチェ湾岸に油田があり,石油,天然ガスを生産する。林業も盛んで,各種硬質材,チクルチューインガムの原料),ヘネケン(繊維植物)などを産する。また,漁業も重要な産業となっている。マヤ文明の栄えた地で,州内にはその遺跡が多く,2002年カラクムルの遺跡が世界遺産の文化遺産に登録され,2014年には熱帯雨林を含む地域が「カンペチェ州の古代マヤ都市カラクムルと熱帯雨林保護区」として,複合遺産に拡大登録された。住民の大半はインディオメスティーソである。メキシコシティーとユカタン半島を結ぶ幹線道路,鉄道が州西部を通る。面積 5万812km2。人口 82万2441(2010)。

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