熱帯雨林(読み)ねったいうりん

精選版 日本国語大辞典 「熱帯雨林」の意味・読み・例文・類語

ねったい‐うりん【熱帯雨林】

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デジタル大辞泉 「熱帯雨林」の意味・読み・例文・類語

ねったい‐うりん【熱帯雨林】

熱帯降雨林

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百科事典マイペディア 「熱帯雨林」の意味・わかりやすい解説

熱帯雨林【ねったいうりん】

熱帯雨林気候帯にみられる常緑樹からなる森林群系。樹木生長は早く,種類も非常に多い。林内は暗く,湿度が高いため着生植物やつる植物が多い。酸素放出や水分の保養など,世界の自然環境にとって大きな役割を果たしているが,土壌が一般にやせ,保水力も弱いので,いったん伐採されると砂漠化する危険が大きい。〔熱帯雨林の破壊〕先進国の木材需要による商業伐採,焼畑移動耕作,薪の採取農地への転用,過放牧などが原因となって,熱帯雨林の破壊が進行し,面積が急ピッチで減少,以下の悪影響が出ている。1.地球上の動植物の約半分の種が生息し,生態学的に最も多様性に富む貴重な自然資源が失われる,2.光合成作用の減少を招き,地球温暖化を助長する,3.病虫害に強い新品種農作物の交配や,医薬品をつくり出せる遺伝子資源が供給されなくなる,4.新しい食料の発見・供給源が途絶える,5.先住民が生活の基盤を損われ,深刻な被害を受ける,などである。国連食糧農業機関FAO)による1990年時点での調査によれば,地球上の残存熱帯雨林面積は29億7000万ha,1981年から1990年までの10年間の年平均消滅面積は1700万haであり,その間に消滅したうちの40%が中南米,30%が東南アジアであること,減少の速度は10年前の年平均1100万haと比べて55%も加速していること,人類誕生の頃,陸地の40%近くを占めていた熱帯雨林がその半分の20%に減少している,ことが明らかになった。なお,東南アジアの熱帯雨林は,太平洋戦争後,日本をはじめとする先進国の熱帯材輸入と焼畑移動耕作が主な原因で減少したが,とくにフィリピンは商業伐採が急ピッチであったため全森林面積の6割を失い,現在マレーシアが世界一の熱帯材輸出国となった。
→関連項目ジャングル(密林)生態系破壊セルバ熱帯植物

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「熱帯雨林」の意味・わかりやすい解説

熱帯雨林
ねったいうりん
tropical rainforest

熱帯雨林気候帯に発達する群系。熱帯多雨林,熱帯降雨林ともいう。南アメリカのアマゾン川流域のセルバアフリカコンゴ川流域,東南アジア,ニューギニア島に分布するうっそうとしたジャングルが代表的なもの。樹木の生長は速く,その種類も多い。構成は複雑であるが,通常,樹高 45m以上に達する高層,高さ 23~30mの樹木が密生した中層,きわめて暗い林床部でも生育できる低木からなる低層の 3層構造をなし,つる性植物や着生植物も多い。現存量(→バイオマス)は乾量で 1haあたり平均 450t,1年間の純生産量(純一次生産量。植物が光合成で生産した有機物の量から呼吸量を引いた量)は 1haあたり 20tをこえる。土壌有機物(→腐植)の量は少なく生態系物質循環の回転率が高い。商業的伐採,農地の造成などによる森林破壊が進み,世界各地で減少が著しい。

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