ガス産業(読み)ガスさんぎょう(英語表記)gas service industry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガス産業」の意味・わかりやすい解説

ガス産業
ガスさんぎょう
gas service industry

気体燃料を生産,製造,輸送,供給する産業部門である。その代表なものは,都市ガス産業であり,天然ガス,製造ガス,副生ガスを精製混合して所定の発熱量に調整したものを一般の需要に応じ導管によりガスを供給する。 1996年の都市ガス需要量は全エネルギー需要の 5.7%を占めている。事業者数は 200以上であるが,大都市を供給区域とする大手3社 (東京瓦斯大阪瓦斯東邦瓦斯) で全需要量の7割以上,都市ガス全需要家数の6割以上を占め,その他の事業者は,規模の小さいものが多い。都市ガス需要を用途別にみると民生用が圧倒的に多く,一般家庭を中心に需要家数では 99%以上,需要量では 70%強を占めている。また全需要量を月別にみると,夏冬両季節間の格差が大きく最大月 (1月) の需要量は最小月 (9月) の 1.5~1.6倍。原料は石炭から石油系への転換が促進され,さらに環境保全に対する社会的要請にこたえて原油の低硫黄化がはかられたが,その後さらにナフサ液化石油ガス LPGに転換するとともに,電力事業者と共同して液化天然ガス LNGの導入を実現してきた。 LNGはガス化効率 100%で製造時のロスがほとんどなく,高カロリーでしかも硫黄分を含まない理想的なガス化原料として,今後ともその積極的な導入拡大が計画されている。

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