日本大百科全書(ニッポニカ) 「大阪瓦斯」の意味・わかりやすい解説
大阪瓦斯(株)
おおさかがす
近畿地方一円を供給区域とする都市ガス会社。創立は1897年(明治30)。1901年(明治34)アメリカ資本の導入で日米共同経営となったが、1925年(大正14)アメリカ資本は国内資本に肩代りされた。1945年(昭和20)神戸瓦斯など14のガス会社を合併。昭和30年代以降のニュータウンの建設や衛星都市群の拡張による需要の急増に対処して、臨海部の新鋭工場での集中生産や幹線網の充実に努めた。1972年の泉北(せんぼく)工場(堺(さかい)市)への液化天然ガス導入を契機として、供給ガスの天然ガス転換を進め、1990年(平成2)に転換を完了した。さらにガス器具をはじめ各種住宅設備機器、コークス販売、地域冷暖房などの分野にも進出し事業の多角化に積極的である。大阪ガスケミカル、リキッドガスなど多くの関係会社をもつ。供給区域内のガス普及率は高い。資本金1322億円(2007)、営業収入1兆1774億円(2006)。泉北、姫路に製造場をもつ。
[橘川武郎]
『大阪ガス株式会社編・刊『明日へ燃える 大阪ガス80年』(1986)』▽『大阪ガス株式会社編・刊『大阪ガス100年史 1905~2005』(2005)』