導管(読み)ドウカン

デジタル大辞泉 「導管」の意味・読み・例文・類語

どう‐かん〔ダウクワン〕【導管/道管】

物、特に液体気体を、ある場所から他の場所へ送る管。
被子植物で、維管束木部の主要構成部分。根が吸収した水分を枝・葉に送るための組織で、円柱形または多角柱形の細胞が縦に連なったもの。境界の膜には穴があり、側面の膜は木質化している。

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精選版 日本国語大辞典 「導管」の意味・読み・例文・類語

どう‐かんダウクヮン【導管・道管】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物をみちびき送る管。
    1. [初出の実例]「彼の導管と車輪と無数のねぢとは隅なく磨かれてある」(出典:中野重治詩集(1935)〈中野重治〉二)
  3. 維管束系の木部の構成組織の一つ。被子植物の木部の主要部分。導管細胞が縦に連なったもの。導管細胞は円柱形または多角柱形で、成熟の過程で原形質を失い、細胞壁は木化し、両端隔壁にせん孔があいて、水を通しやすくなる。また、側膜は部分的に肥厚し、環紋・ら旋紋・網紋・孔紋などの模様を示す。この長さ、太さ、側壁の模様、せん孔の形状、隔壁の傾斜などは、木材比較解剖学で重視される。〔生物学語彙(1884)〕

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世界大百科事典(旧版)内の導管の言及

【腺】より

…これに外分泌腺と内分泌腺とがある。
[外分泌腺と内分泌腺]
 腺組織がもとの被蓋上皮と導管によって連絡しており,腺細胞から出された分泌物が導管を通って被蓋上皮のほうへ向かうものを外分泌腺exocrine glandという。これに対して,腺組織ともとの被蓋上皮との間にまったく連絡がなくなり,腺細胞から出された分泌物が,そこに分布する血管やリンパ管に出ていくものを内分泌腺endocrine glandという。…

【道管】より

…導管とも書く。植物の維管束のうち木部を構成する主要素。…

※「導管」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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