ガンディー‐アーウィン協定(読み)かんでぃーあーうぃんきょうてい

山川 世界史小辞典 改訂新版 の解説

ガンディー‐アーウィン協定(ガンディー‐アーウィンきょうてい)
Gandhi-Irwin Pact

デリー協定ともいう。1931年3月5日にガンディーインド総督アーウィンの間で締結された協定。30年にガンディーの指導下で「塩の行進」を皮切り不服従運動が拡大したのを受けて,事態収拾を図るためにアーウィンがガンディーを招き,締結した。ここでは不服従運動の停止と,第2次英印円卓会議へのインド国民会議派の参加が決められた。インド独立自治に関してはイギリス側はいまだに認めておらず,会議派内には協定に対する不満の声もあった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のガンディー‐アーウィン協定の言及

【ガンディー】より

…彼はまたこの過程で,少数派ではあるがJ.ネルーを先頭とする国民会議派内急進派と,V.パテールやR.プラサードら多数・保守派を会議派組織の中で巧みに統合し,かつビルラー財閥をはじめとするインド民族資本の支持をもとりつけることによって,会議派を最大の大衆的民族運動組織へと成長させた。ただ同時に,バールドーリー決議(1922)やガンディー=アーウィン協定Gāndhī‐Irwin Pact(1931)にみられるように,その理念とする〈アヒンサー(非暴力)〉の原則を絶対化するあまり,大衆運動が高揚した時に彼ないし会議派指導部の思惑外へそれが発展しようとすると運動の停止を命じ,全体としての大衆的反帝国主義闘争の推進を妨げることもあった。彼はまた,農民や労働者の運動が階級的色彩を帯びることには徹底して反対した。…

※「ガンディー‐アーウィン協定」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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