ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キャンピオン」の意味・わかりやすい解説
キャンピオン
Campion, Thomas
[没]1620.3.1. ロンドン
イギリスの医師,詩人,作曲家,フルート奏者。 16世紀末から 17世紀初めにかけてのイギリス・リュート歌曲の代表者の一人。 1581~84年ケンブリッジ大学に学んだのち,文筆家,作曲家として活躍。ラテン警句集『詩』 Poemata (1595) を出版。古典的傾向の強い押韻無用論『英詩の技法所見』 Observations in the Art of English Poesie (1602) は S.ダニエルの反論 (03) を招いた。彼の文学的名声は自身の作詞作曲になる4巻の『歌曲集』 Books of Ayres (01~17) による。いずれも旋律が美しく,韻律の変化に富み,新鮮で魅力的。宮廷上演用に書いた4編の仮面劇 (07~17) も,その抒情的な歌がすぐれている。音楽論 (17) も重要。
キャンピオン
Campion, Edmund
[没]1581.12.1. ロンドン
イギリスのイエズス会士の殉教者。国教会の聖職者であったが,1569年カトリックに改宗し,73年ローマにおもむいてイエズス会士になった。 80年 R.パーソンズとともに帰国してカトリック復活に努めたが捕えられ,処刑された。
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